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Stage 04不妊治療のやめ時でお悩みの方へ

不妊治療の終わりを考えることは簡単なことではありません。そして、「治療はまだやめない」と決めることも、
「もう終わりにして自分の人生を見つめ直してみよう」と思うことも、
養子縁組などの別の選択肢を考えることも、
子どもがいなくても生き生きとしているロールモデルを見つけて、目標を切り替えることも、
気持ちの整理の仕方や、整理にかかる時間は、人それぞれです。

ここに集まった専門家のアドバイスが、あなたの心に寄り添い、あなたが納得して次の一歩を踏み出せるひとつのきっかけになりますように。

目次

一般情報

  • どんな状態になった時がやめ時なの?
  • 治療を終わりにするタイミングってドクターから伝えられるもの?
  • 不妊治療中、体にいろいろな薬を投与していていたけれど、突然やめて副反応など出ないもの?
  • 不妊治療した後の体の不調は、どこで診てもらえばいいの?
  • 自分たちの子どもはあきらめるとして、それからでも養子縁組を考えてみてもいいのかな?

メンタルケア情報

  • 不妊治療をやめることについて夫婦でなかなか意見が合わない
  • 不妊治療をやめたらすっきりする?
  • 後悔しないやめ方ってある?
  • 治療を続けるかやめるかで心揺れてしまう。もうやめようと決めても、また次に治療をすればできるかもしれないと思ってしまったり。どうしたらいいのかな。
  • 治療をやめた後、何をしたらいいのかわからず途方に暮れる
  • 同じ体験をした人と話す場ってある?

一般情報

Q

どんな状態になった時がやめ時なの?

回答者
by 杉本 公平 先生
獨協医科大学埼玉医療センター リプロダクションセンター教授

どのような状態になったら不妊治療を止めるのか、とても重要な問題であると思います。経済的な制限や、年齢・卵巣予備能といった妊孕性のポテンシャルの条件、さらには患者さん個々の人生観など、治療を止める判断は様々でしょう。

わかりやすい指標になるものとして、日本全国の体外受精の成績を集めた日本産科婦人科学会のARTデータ集があります。45歳で生児獲得率は1%程度であり、逆に言えば99%うまくいかない治療ということになります。施設によっては45歳からはARTを行わないというところもあります。35歳における生児獲得率は約20%であり、こうした数字をどのように感じてその評価をするのかは人それぞれです。

大切なことは、治療を始める前の段階で、「自分は子供を産みたいのか?それとも子供を育てたいのか?」ということをきちんと自分の中で確認しておくことだと思います。不妊治療を続けるうちに、どんどん追い詰められて周りが見えなくなる方が多くいらっしゃいます。家族形成の選択肢は様々。里子さん・養子さんを迎えて幸せな家庭を築いていらっしゃる方も大勢いらっしゃいますし、その多くの方は不妊治療の経験者であり、もっと早く情報がほしかったと言われます。

自分の経済力を考慮して何回まで治療を行う、里子さん・養子さんを迎えることも選択肢に入れて何歳まで行う、自分の置かれている状況、そして自分たちの価値観・人生観をもとに、あらかじめ目安を決めておくといいかもしれません。

不妊治療を終えたある患者さんが、次の様なお話をされたことがあります。

「先日デパートで買い物をしていたとき、5歳くらいの男の子が迷子になって泣いていました。側にいって話しかけても泣いているばかりでしたので、手を握って一緒に係員のところに行きました。その男の子の手を握った時に、私の中に強い母性を感じました。今まで感じたことのない感情でした。迷子の男の子を係員に引き継いだあとも、その子の手の感触が忘れられず、その自分の想いと向き合う中で、私はいままでずっと「産みたい」と思って治療を続けていましたが、そうではなくて「育てたいんだ」という思いに気づきました。」

この患者さんはその後養子縁組を目指されており、もっと早くこの情報を知っておくべきだったとおっしゃられていました。

家族形成の様々な形について情報を集めたうえで人生設計を行い、あらかじめ治療を止める基準を設定しておくといいのかもしれません。とはいえ、その基準にとらわれすぎないようにすることも大切です。一度治療を止めてから再開することも許されないことではありません。自分一人で“意思決定”という言葉の重さを背負い込まず、パートナーや医療者と一緒に考えながら折り合いをつける、その程度に考えるほうがより納得のできる選択ができると思います。

Q

治療を終わりにするタイミングってドクターから伝えられるもの?

回答者
by 杉本 公平 先生
獨協医科大学埼玉医療センター リプロダクションセンター教授

ドクターによっては治療の終結を勧めてくれる方もいるかもしれませんが、多くのドクターは、患者さんが決められるものとして、自分からはお伝えしないようにしていると思います。また、クリニックあるいは病院の方針として、何歳までと決めているところもあります。

なぜドクターから治療の終結を伝えにくいのか?ドクターが患者さんに治療の終結を伝えることは「あなたは子どもをもつことができないからもう諦めなさい。」というメッセージとしてとられてしまい、患者さんを悲しませることになることを恐れているからです。

決して知らないふりをしているわけではありません。ドクターも患者さんと同様に葛藤しています。治療の終結は、患者さんにとってもドクターにとってもデリケートな問題です。強い覚悟と気持ちをもっていないと不妊治療に取り組むことは難しいですが、様々な人生の選択肢を早い段階から考えておき、ドクターとも話し合っておいた方がいいと思います。ドクターに話にくいのであれば、看護師さんなどスタッフの方に相談しておくことをお勧めします。

Q

不妊治療中、体にいろいろな薬を投与していていたけれど、突然やめて副反応など出ないもの?

回答者
by 河村 和弘 先生
順天堂大学大学院医学研究科 産婦人科 教授

不妊治療中に使われる薬の多くは、ホルモン剤や自分のホルモンを調節するお薬です。

普段、毎月月経が定期的にくる方は、これらの薬を突然やめても問題はありません。こうした方に対しては、通常不妊治療中に複数の卵胞を育てるためにお薬を投与します。ですので、薬を止めれば、普通の状態、つまり毎月1個の卵子を排卵し、定期的に月経がきます。

しかし、月経が定期的にこない方の場合は、お薬をやめることで様々な問題がでてくることがあります。月経が定期的にこない方には排卵障害があり、その原因として中枢(あたまの方)と卵巣の異常が考えられます。中枢に問題がある場合は、お薬をやめた後、月経が正常に戻る場合がありますが、卵巣が原因の場合は月経不順や無月経が続くことが多いです。この場合、女性ホルモン(エストロゲン)が不足し、更年期の症状がでることがあります。また、長期的には骨粗鬆症や動脈硬化などの原因となります。エストロゲンがある程度作られるのに、卵胞がうまく育たない多嚢胞性卵巣症候群の方は、無月経の状態を放置すると子宮のがん(子宮体癌)になりやすくなります。

ですので、月経が定期的にこない方は、お薬をやめる場合は医師に相談しましょう。また、免疫の異常などでステロイドホルモン剤を服用している方は、突然お薬をやめてしまうと、ステロイド離脱症候群と呼ばれる様々な症状が出てくる状態になることがあり、やめる場合はお薬の量を少しづつ減量しながら時間をかけてやめる必要があるので、注意が必要です。

私の外来(ローズレディースクリニック、山王病院)では、卵巣機能不全を中心に、不妊治療を終了された方の体調に関するケアをしています。もちろん、卵巣機能不全以外の方も丁寧に診療させて頂いていますので、不妊治療後に何か不安のある方はどうぞ診察にいらしてください。

Q

不妊治療した後の体の不調は、どこで診てもらえばいいの?

回答者
by 永森 咲希
不妊カウンセラー / 家族相談士 / 国家資格キャリアコンサルタント / 一般社団法人MoLive代表

不妊治療では、これまでに体験したことのないようなさまざまな薬を投与します。そんな薬が、治療後の体にどのような影響があるのか心配な方は多いのではないでしょうか。

「不妊治療後に急に生理がこなくなったけど、突然薬をやめたことが影響しているのかな」とか、「卵巣が腫れているようで鈍痛がある。不妊治療中OHSSを何度か経験したからかな?」等々、不妊治療を受けていたからこその不安や疑問を持つ方は少なくないと思います。自分が通っていた不妊治療専門クリニックにはカルテがあったとはいえ、そこに行って診てもらうわけにはいかない。かといって、一般の婦人科に行き、不妊治療経験者であることや、投与していた薬の話をしたとして、どこまでわかってもらえるのかも不安。体の不調を、年齢的に更年期にされてしまうのも心配ですよね。

このように、不妊治療経験者の一部は、「不妊治療後医療難民」になっている可能性があります。不妊治療について熟知したドクターが、不妊治療後の患者さんを診察する医療機関は、なかなか見つからないのではないでしょうか。

このモリーブの【妊活・不妊治療のステージ別お役立ち情報】で回答くださっている下記のドクターは、不妊治療を終了した方の体調に関するケアをされています。丁寧に診療されていますので、何か不安のある方はぜひいらしてみてください。

河村 和弘 先生(順天堂大学大学院医学研究科 産婦人科 教授)

河村先生の外来:山王病院、ローズレディースクリニック

山王病院(東京都港区赤坂 8-10-16 / 03-3402-3151(代表))
女性医療センター/リプロダクション・婦人科内視鏡治療部門
外来医師担当表※上記URLページのリプロダクション・婦人科内視鏡治療部門欄をご確認ください。

ローズレディースクリニック(東京都世田谷区等々力2-3-18 / 03-3703-0115)
外来医師担当表
現在土曜日担当(2022年4月からは木曜日と土曜日の2日間)

杉本 公平 先生(獨協医科大学埼玉医療センター リプロダクションセンター教授)

杉本先生の外来:五の橋レディスクリニックの火曜日のみ

五の橋レディスクリニック(江東区亀戸 6-26-5 日土地亀戸ビル8F / 03-5836-2600)
※不妊治療後の症状に関する診療は、杉本先生の火曜日の外来のみとなります。

久保 春海 先生(東邦大学医学部名誉教授 / 渋谷橋レディースクリニック院長 / 日本不妊予防協会理事長 / 日本生殖心理学会名誉理事長 / 日本受精着床学会理事)

久保先生の外来:渋谷橋レディースクリニック

渋谷橋レディースクリニック(渋谷区東3-15-12第2アワヤビル2F / 03-3409-0609)

Q

自分たちの子どもはあきらめるとして、それからでも養子縁組を考えてみてもいいのかな?

回答者
by 永森 咲希
不妊カウンセラー / 家族相談士 / 国家資格キャリアコンサルタント / 一般社団法人MoLive代表

養子縁組。よく耳にする言葉とはいえ、日本ではまだまだ浸透している制度とはいえません。ですが、実際に養子縁組をした方々がご自身の体験を公表される機会も増え、斡旋する団体もさまざま目にするようになってきています。

不妊治療中は、自分たち夫婦の遺伝子を引き継いだ子どもを産み育てたいと思うのが自然なことでしょう。実際治療中の方々に伺うと、「養子縁組なんて考えられない」「私たち/僕たちは自分たちの血を引いた子どもが欲しいんです」とおっしゃる方がほとんどです。ただ、不妊治療をしている方は、年齢を重ね、既に妊娠にとっての適齢を過ぎている方も少なくありません。ご自分たちの実子を願い続け、何年もの時間を治療に費やし、最終的には実子をあきらめざるを得なくなったというご夫婦も大変多くいらっしゃるわけです。

長年希望を持って頑張ってきたのであればなおさらですが、実子をあきらめざるを得ない状況は、そのご夫婦にとって大変辛いことです。現実がなかなか受け入れられなかったり、喪失感に見舞われ生きるモチベーションが持てなかったりと、心揺れ動き混乱します。

不妊治療に区切りをつけ、あるがままの自分たちを受け入れ、あらたな1歩を踏み出すにはそれなりに時間も要しますが、だいたいそれからではないでしょうか。養子縁組を考え始めるのは。「私は産みたかったのではなく、育てたかったんじゃないかな?」とか、「養子縁組っていう家族のカタチもあるよね?」とか。ですが、それでは遅いとも考えられます。43歳で子どもをあきらめ、2年間で自分たち夫婦の気持ちを立て直し、養子縁組に行き着いたのが45歳だとしたら。そのタイミングでゼロ歳児と養子縁組をした場合、還暦の時、まだその子は15歳です。自分たち夫婦の気持ちが熟すのを待つことも大事ですが、養育にかかる経済的な問題もありますし、夫婦の年齢がなるべく若いうち、早い方がさまざまな面で子どもの養育に適しているといえるのではないでしょうか。

何を隠そう、私自身が「不妊治療での子どもをあきらめ、『養子を迎えたい』と思って動いた時には遅かった」という経験をしています。そして、「もっと早い段階で、養子縁組という家族のカタチを知っていたら・・・」と悔やまれてならない時がありました。選択する・しないはそのご夫婦次第ですが、事前に「選択肢を知っておく」「選択肢について学んでおく」ことは大事なことだと思います。

不妊治療中は必要ないと思われるかもしれませんが、情報として知っておくだけで、後になって役立つことがあります。人生思い描いたようにはいきませんし、考えや想いも変化したりします。人間万事塞翁が馬。何があなたの幸せになるかわからないのですから。

メンタルケア情報

Q

不妊治療をやめることについて夫婦でなかなか意見が合わない

回答者
by 菊田 映美
公認心理師 / 認定心理士 /不妊カウンセラー / 生殖心理カウンセリング研究所 代表

夫婦で意見が対立するということは、この人なら自分の意見を聞いてくれるとの思いがあり、また、お互いを認め合い、自分を理解して欲しいと思い合っているがゆえ。健全な関係であると言えます。人は感情的になると、どうしても理性、論理性、共感性を十分に発揮出来なくなります。そうすると、負けたくない、白か黒かという別の話にそれていき、不毛な争いとなりがちです。

100かゼロかではなく、お互いがこれならと納得出来る選択肢を見つける、つまり“意見のすり合わせ”の方がうまくいくのではないでしょうか。そのためには、お互いの意見が合わなくても、まずは言葉にし合うこと、聞き合うことから始めてみませんか。

その際、ぜひ気をつけていただきたいのは、自分の中の「決断」や「結果」だけを伝えることがないようにすること。皆さんは知らず知らずのうちに、心の動きや過程についてはつい自分の中に留め、「ここで治療をやめよう」とか「治療を継続するなら他のクリニックに転院しよう」といった結果だけをパートナーに伝えていませんか。そうした言葉のやり取りだと、治療を終結するのか継続するのか、どちらがいいのかといった突き詰めた話になり、そこをいつも堂々巡りして、話が先に進まなくなってしまいます。

「どうして治療をやめようと思うのか。なぜなら、〇〇〇〇だから」「どうして転院して治療を継続したいのか。なぜなら〇〇〇〇」と、なぜそう思うようになったのかの、おふたりそれぞれの心の動きやその過程について伝え合っていただきたいと思います。

自分の意見の根本的な思いを伝えることで、パートナーの本音を聞くことができたり、自分自身さえ気づいていなかったことが見えてきたりします。結果だけではなく、どうか、お互いがそう考えるに至ったその“思い”を大切にしていただきたいと思います。そうすれば、意見を合わせるというよりも、お互いの気持ちに寄り添いやすくなるはずです。

Q

不妊治療をやめたらすっきりする?

回答者
by 永森 咲希
不妊カウンセラー / 家族相談士 / 国家資格キャリアコンサルタント / 一般社団法人MoLive代表

治療をやめたからといって、いきなりすっきりする人はまずいらっしゃらないのではないでしょうか。とはいえ、不妊治療中は多くのストレスにさらされます。治療のためのスケジュール調整、治療費の工面、常に治療中心とする思考傾向、抑圧されていた生活等々、こうした気苦労がなくなる分、開放的になれる可能性はあるでしょう。そしてその状態を「すっきりした」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

ただ、もし、すっきりしなかったとして。それはご自身にとって、あってはならない状態でしょうか。気持ちの良いものではないかもしれませんが、あなたが今頑張り続けていることは、「終わりにすればすぐにすっきりする」ようなことですか。どんなに努力をしても、どんなにお金をかけても願いが叶わなかったとしたら、その状況を受け止めるのには時間がかかり、なかなかすっきりしないのが自然ではないでしょうか。

人は、長い人生を生きる中で、何度もない大きな転機に遭遇することがあります。不妊治療をやめることは、人によっては子どもをあきらめることを意味しますので、とても大きな転機に直面することになるわけです。そんな時、当事者は、混乱や空虚感、喪失感といった心理的な痛みを感じやすい時期から、未来に向かえたと思いきや過去に戻ってしまったりと揺れ動く時期を過ごし、そして少しずつ自分の中に新たな何かが生まれたり始まったりする時期がやってくると言われています。ですから、転機を過ごすには焦らないことが大切。

曖昧な状態をあまり嫌悪せず、抗わず、流れのままに身を預けてみてはいかがでしょう。水の中で、からだの力を抜くと、いきなり楽に浮き上がりますよね。少しずつでも、ありのままの自分とその状況を受け入れていけるようになれたら、その時、楽に、そしてすっきり感じられるのかもしれません。

Q

後悔しないやめ方ってある?

回答者
by 菊田 映美
公認心理師 / 認定心理士 /不妊カウンセラー / 生殖心理カウンセリング研究所 代表

子どものいる人生を思い描きながら不妊治療をがんばってこられたご夫婦は、治療を終えることで、人生設計の見直しが求められます。とはいえ、子どもを切望されていた方々が、不妊治療をやめたからといって、いきなり新たな人生を設計することができるのか。そう簡単なことではありません。治療をしている時は、たとえ辛くても希望があるからこそがんばれるわけですが、その希望を失えば、途方に暮れてしまうのも無理はないでしょう。

ですが、時は、自分がどんな状態にあろうと刻々と進みます。人はどうしても、明日を、未来を生きなくてはなりません。であれば、とても辛いことかもしれませんが、ご夫婦でふたりの新しい「未来予想図」を書き出してみるのはどうでしょう。最初は思い浮かばなくてもいいと思います。考えてみる一歩が大事。そしてどんなに小さな目標でも、ふたりで書き出して「見える化」してみてはいかがでしょう。

未来を書き出していくことは、過去を振り返ることにも繋がります。これまでの人生の歩みを振り返り、あの時、ああしておけば良かったと頭をよぎることがあるかもしれません。でもそれもよしです。後悔がない生き方なんてきっとないでしょうし、後悔することは悪いことではありません。後悔があるからこそ、今より少しでも良い未来をつくっていく糧になっているはずです。

新しい夢や希望が見えてくると、私たちふたりなら、将来何が起きてもお互いを尊重し合い歩み寄りながら、絆を深めていくことが出来る、といった確信につながることでしょう。それは不妊治療という困難な旅を、夫婦ふたりでやり遂げたという想いと、パートナーがあなただったからこそ、ここまで頑張って来られたという、相手に対する感謝の気持ちがお互いの心の中にあるからこそ。自分、そして相手をいたわり、感謝して治療を終えることが出来たら、その先の人生はより豊かなものとなるのではないでしょうか。

不妊治療という旅は終わりを迎えても、あなたの人生の旅はまだまだ続きます。その旅路をどう彩るかは、あなた次第です。

Q

治療を続けるかやめるかで心揺れてしまう。もうやめようと決めても、また次に治療をすればできるかもしれないと思ってしまったり。どうしたらいいのかな。

回答者
by 永井 静香
公認心理師 / 生殖心理カウンセラー / がん・生殖医療専門心理士 / 保健体育教諭免許 / 養護学校教諭免許 / 介護支援専門員

不妊治療は⽅針を医師に委ねるのではなく、自分たちでひとつひとつ選択を重ね、決断して治療を受けてきたわけですから、どこで区切りをつけるべきかについては悩ましいところですね。

「もうやめよう」と決めたのはなぜか、これまでの治療経過を冷静に振り返ることが大切です。「通院を継続するには体が限界」と思われたかもしれませんし、「期待してはダメだったという精神的なアップダウンをもうこれ以上経験できない」と感じられたかもしれませんし、経済的なリミットに迫られたのかもしれませんね。

やめ時のきっかけは人によっても、価値観によっても、年齢やタイミングによっても異なりますが、ひとついえることは、“やめよう”と思うくらい精一杯頑張られたということではないでしょうか。やみくもに繰り返し、ただただ前に突き進むことだけがよいことでしょうか。

時に後ろを振り返ることがあったとしても、切ない思いに駆られたとしても、先を見据えることを忘れないでいただきたいと思います。

Q

治療をやめた後、何をしたらいいのかわからず途方に暮れる

回答者
by 砂川 未夏
国家資格キャリアコンサルタント / 米国 NLP 協会認定 NLP マスタープラクティショナー / CNJ 認定がん情報ナビゲーター/ キャンサー・キャリア 代表

これまで続けてきた治療をやめたとしたら、自分はどうなるんだろう。そんなことを考えた時、いろいろな想いや感情が湧き起こってくるかもしれません。治療は、あなたの人生の1ページでもあります。そして、治療のやめ時を考えるということは、新たに自分の人生を考えなおすことでもあるでしょう。今まで想定していなかったことでもあり、なかなかイメージすることが難しいと感じられ、心が空っぽになってしまうこともあるでしょう。

何をしたらいいのかわからなくなるのは、自然なことです。今は焦らなくて大丈夫。真っ白なキャンバスへ新たな色を入れていくかのように、これからのあなたのキャンバスには必ず色が生まれます。不妊治療をやめて少し先を歩む人たちも、あなたの周囲にはたくさんいますから。

Q

同じ体験をした人と話す場ってある?

MoLive(モリーブ)では、下記の4種類のテーマを順送りに、毎月1回、同じ経験を持つ当事者同士で約2時間、自由にお話していただく茶話会(わかち合いの会)を開いています。

  • 1.妊活・不妊治療で悩む方々の会
  • 2.妊活・不妊治療からの卒業(やめ時)を考える会
  • 3.男性不妊で悩む方々の会
  • 4.卒業生(不妊治療をやめ、子どもをあきらめた方々)の会

同じような悩みを抱える人と話をしてみることによって、考えや想いが整理されることがあります。また、自分の思考傾向に気づくこともあります。人の話を聴くことによって、同じように悩んでいるのは自分ひとりじゃないことがわかったり、ヒントを得たり、勇気をもらえたりすることもあります。

心理援助の資格を有するものがファシリテータを務めますので、どうぞ安心して参加なさってみてください。

茶話会の詳細およびお申込みページは
こちら

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