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Stage 03男性不妊とは?

「不妊」と聞くと、女性の問題と思われる方もまだまだ多いかもしれませんが、実際は、不妊の原因の約半分は男性側にあります。自分に原因があるとわかった時の男性の衝撃は非常に大きく、ひとりで抱え込み、苦しむ方はたくさんいらっしゃいます。
この“男性不妊”とは、どのような状態のことをいうのでしょう。防ぐためにできることはあるのでしょうか。

男性不妊のためになかなか子どもができない場合、ショックを受けて動揺するのは男性だけでなく、パートナーの妻も同じ状態に陥ります。自分の問題ではないからこそ、一層の混乱や戸惑いに見舞われ、どうしたらよいのか途方に暮れる方も少なくありません。

ここでは、男性不妊専門の医師や医療ライターが、“男性不妊”の一般的な知識や情報について丁寧に解説し、ご夫婦が抱えがちな葛藤や混乱、また迷いについて、生殖心理に精通したカウンセラーが回答を寄せています。

目次

一般情報

  • 男性不妊ってどういうこと? 原因はあるの?
  • 男性不妊の治療法について
  • 男性不妊と診断されたけど、日頃気をつけることってある?
  • 男性不妊の予防のために、若い時から注意することってあるのかな?
  • 精子のDNA損傷による男性不妊ってどういうこと?その治療法は?
  • 男性不妊にいい病院ってあるの?
  • 男性不妊に効果のあるサプリメントってあるの?

メンタルケア情報

  • もっと早く検査をしてくれていたらと、どうしても夫を責めてしまう。どうしたらいいのかな
  • 原因がわかって夫婦でぎくしゃくしています。どうしたらいい?
  • 夫婦揃って受けられるカップルカウンセリングってどんな効果があるの?
  • 妻に申し訳ない気持ちでいっぱい。妻と離婚してあげた方がいいのか悩んでしまう
  • 男性不妊について、両親や親戚への伝え方は?
  • 同じような立場の人と話してみたい

一般情報

Q

男性不妊ってどういうこと? 原因はあるの?

回答者
by 岡田 弘 先生
獨協医科大学埼玉医療センター 国際リプロダクションセンター チーフディレクター / 獨協医科大学医学部特任教授 学長補佐(埼玉地区担当)/ 獨協医科大学名誉教授

男性不妊とは、男性に原因があって子どもができないことをいいます。 1996年のWHO(世界保健機構)の報告では、不妊症のカップル7273組の原因を調査したところ、男性が不妊に関わる原因は48%と、不妊症の原因の約半数は男性因子が関係していることが分かりました。

不妊というと女性の問題と捉えられがちですが、約半分は男性に原因があるとすると、不妊は女性だけの問題ではなく、男女共に抱えることといえます。なかなか子どもができない状況になったら、女性だけではなく、必ず男性も並行して診察を受けてください。精液検査のみを受けるのではなく、必ず診察を受けるべきで、問診・身体所見・超音波検査・血液検査・尿検査は必須です。子供に恵まれない男性が精巣がんに罹患している割合は、児のある男性の100倍です。診察は、男性不妊診療の経験が豊富な泌尿器科医で生殖医療専門医のいる、男性不妊外来のある医療機関がお勧めです。

その結果、不妊の原因が男性因子とわかった場合は、男性不妊外来のある医療機関で治療を受けることになりますが、患者さんの90%近くが、精子の数が少ない、運動率が低い、正常な形態の精子の割合が低いという、精液所見に問題があるケースです。これは精子をつくる機能に問題があることから、「造精機能障害」と呼ばれています。

※精液所見を評価する基準として、2021年7月にWHOが11年ぶりに最新の基準値を改定しています。あくまでも目安にすぎませんが、この基準値を下回ると、パートナーの女性が自然妊娠することが難しくなり、男性不妊症の可能性があると考えられます。

精液所見に対しての下限基準値精液所見に対しての下限基準値

造精機能障害の患者さんの場合、精液検査の結果はどれかひとつの項目が低いということはそれほどなく、精子濃度や運動率、正常形態精子率のすべてが低いことが多いことが分かっています。これを医学的に「OAT症候群」と呼びます。

精索静脈瘤とは、精巣の周りにある精索部分の静脈弁の機能不全のため、本来心臓へ向かって流れるべき血液が逆流して精巣に戻ることで精巣の静脈にコブができる状態を指します。このコブがあると、精巣周囲で血液がうっ滞し、精巣温度が上昇したり、精巣に酸化物質が逆流して、精子形成にダメージを与えたり、精子のDNAが損傷(断片化)してしまうのです。このほかにも造精機能障害の原因には、染色体異常や、ホルモンの分泌異常、また、おたふく風邪ウイルスによる精巣炎などが挙げられます。

また、近年は、精子の質を評価する新たな指標として、酸化ストレスなどが原因とされる精子のDNA損傷(断片化:2重らせん構造が切れてしまう事)にも注目が集まっています。DNAが損傷した精子では、卵子と出会っても受精しにくく、良好な胚になりにくく、また受精して妊娠しても流産しやすいことが分かっています。これを受け、最近はより高度な精液検査として、従来の精子数や運動率、見た目の形態だけでなく(一般精液検査といいます)、DNA断片化検査や、精液中酸化ストレス測定などを行う男性不妊外来も増えてきました。特に、DNA断片化検査(DFI検査)は最新のWHOの精液検査マニュアル第6版(2021年度版)に精子の質の検査として採用されました。

精液所見に対しての下限基準値

Q

男性不妊の治療法について

回答者
by 岡田 弘 先生
獨協医科大学埼玉医療センター 国際リプロダクションセンター チーフディレクター / 獨協医科大学医学部特任教授 学長補佐(埼玉地区担当)/ 獨協医科大学名誉教授

精子そのものを元気にするためには、その原因に即した治療が求められます。前述のように、精索静脈瘤が原因で精液検査結果や精子機能に問題がある場合は、静脈瘤を手術で治療することや、酸化ストレスの軽減のため、抗酸化療法が有効です。

また、射精した精液のなかに精子が一匹も見当たらない「無精子症」という病態があります。無精子症と言われても精巣で作られている精子がゼロというわけではありません。無精子症には「閉塞性」と、「非閉塞性」があり、前者は精巣では精子は盛んに造られていますが、その通り道(精路)がふさがっているために、精液中に精子が出てこれない状態です。

これに対して後者は、精巣での精子を造っている場所が非常に少なく、精液中にまでは精子が出てきていない状態のことです。この中の極端な例としては、精巣内に精子のもとになる細胞(幹細胞)が存在しない場合や、精子形成が途中で止まってしまって、完全な形の精子になれない場合があります。

治療法は、閉塞性無精子症の場合には、塞がった精路を開通させる精路再建術や、「TESE(精巣精子採取術)」と呼ばれる精巣内にある精子を回収する方法など、手術で解決できることがあります。理論的には1匹でも精子があれば、顕微授精を行い妊娠に結び付けることが可能です。

一方、後者の非閉塞性無精子症の場合は、「MD-TESE(顕微鏡下精巣精子採取術)」と呼ばれる、手術用顕微鏡で観察して、精巣中の精細管のうち精子形成のあるものを特定して、ここから高率に精子を回収する手術が必要になります。ただし、この手術で精子が回収できる確率は3割程度とされています。

精液の所見に問題がある場合は、男性不妊専門の泌尿器科医がいる医療機関で超音波検査などの精密検査を行うと、こうした治療に繋がりやすくなります。

Q

男性不妊と診断されたけど、日頃気をつけることってある?

回答者
by 岡田 弘 先生
獨協医科大学埼玉医療センター 国際リプロダクションセンター チーフディレクター / 獨協医科大学医学部特任教授 学長補佐(埼玉地区担当)/ 獨協医科大学名誉教授

女性が不妊治療施設に通い始めると、医師から男性側の精液検査も勧められるはずです。検査の結果、精子の所見が悪く、男性不妊と診断された場合、ショックのあまり頭の中が真っ白になる方は少なくありません。

出勤前の忙しい時間に、自宅のトイレ、あるいはクリニックの採精専用ルームで、渡された専用の容器にマスターベーションで射精した精液を入れる…。いくら検査のためとはいえ、男性にとっては非常にストレスがかかる行為です。実は、こうした状態で採取した精子は、リラックスした状態で採取した精子よりも精液所見が悪く出ることが分かっています。もし、何回か精液検査をすることがあれば、いつも同じ時間帯に採取するのではなく、余裕があり、気持ち的にもリラックスできるときに再検査することをお勧めします。

精液所見は、そのときの精神状態によって差が出やすいものですが、こうした事実は、男性不妊専門の泌尿器科医のいない妊治療施設ではそれほど認識されていません。また、産婦人科で精液検査をし、仮に「精子の数が少ない」という結果が出ても、その先の原因を調べる検査や治療ができない場合が多いものです。

その点を踏まえ、男性不妊と診断される前の初診時から、不妊治療専門クリニックの男性不妊外来を受診し、泌尿器科医による専門的なアドバイスを受けることも一つの手です。

さらに、これはあまり知られていないことですが、不妊専門クリニックでも採精室は1つしかないことが多く、医療機関以外で精液検査のための検体を採取して、精液検査や精子の質の検査のために運んでくる場合が大多数です。
この場合の、精液の運搬容器によって一般精液検査や精子の質の検査結果に大きな差が出ます。本来は、問題ない精液なのに精子の運動性が悪いとか、精子のDNAの断片化率が高いというように判定されてしまう事態が、頻繁に見られます。

精液はその容積が5ml未満の場合が多いのにもかかわらず、運搬容器として一般的に用いられているのは、100-150mlの容積がある、プラスチック製の入れ物です。これでは、どんどん精液はその水分を失うことになりますし、空気との触れ合う面積が大きいため、pHがアルカリ性に傾いてきてしまいます。また、外気温が10℃程度の冬季には、運搬容器の内部が冷えて、精子にダメージを与え(cold shock)死滅させてしまいます。このような従来の運搬容器を改良した、精液にやさしい容器として発売されているものもありますので、やや高価ですが大事な精液を運ぶ容器ですので、使用することをお勧めいたします。
(TPSII: トランスポーターSII: Mitsuboshi product planning Co., Ltd.)

Q

男性不妊の予防のために、若い時から注意することってあるのかな?

回答者
by 岡田 弘 先生
獨協医科大学埼玉医療センター 国際リプロダクションセンター チーフディレクター / 獨協医科大学医学部特任教授 学長補佐(埼玉地区担当)/ 獨協医科大学名誉教授

精液の所見は、普段の生活習慣によっても影響を受けます。
ここでは健康的な精子を維持するための生活習慣についてお伝えします。

◎禁煙をするタバコを吸うと血管が収縮して、血流を悪くし、ED(勃起不全)を招きます。また、精子の数そのものや運動能力の高い精子が減るほか、タバコによる酸化ストレスで精子のDNAに傷がついた精子が増えてしまいます。DNAが損傷した精子は、卵子に到達しても受精しにくく、また受精して妊娠しても、流産しやすくなることが分かっています。

◎メタボに気を付けるBMI35超過している場合は、精子形成に悪影響があることがわかっています。酸化ストレスが増えますし、大腿の内側と陰嚢が引っ付きがちで、精巣温度が上昇する原因となります。

◎自転車通勤はできる限り控える前傾姿勢になるロードタイプの自転車で、毎日通勤をしている方は要注意。股間の血流が悪くなり、ED(勃起不全)や、精子の減少を引き起こしやすくなります。普段ちょっとそこまでママチャリで出かけたり、週末にサイクリングに行く程度なら問題ありません。

◎激しい運動を控える毎日のようにスポーツクラブに通って体を鍛えたり、マラソンやトライアスロンなどの激しい運動をすると、体内の活性酸素の量が著しく上昇し、精子細胞にダメージを与えてしまいます。

◎禁欲しない精巣は74日かけて新しい精子を常に作り出しています。射精しない禁欲期間を設ければ、それだけ精子の数は増えますが、作られてから時間がたった古い精子が増えることにもつながります。それが精液全体に占める割合が多くなると、運動率が低くなり、精液の質は下がります。また、禁欲すると、精子のDNA損傷率が高くなることも分かっています。2-3日の禁欲がお勧めです。

◎サウナや長風呂を控える。下着はブリーフよりもトランクスを。精子をつくる機能は、熱にとても弱いことが分かっています。精子形成のためには、股間は35度が最適。サウナや長風呂、トランクスなど股間を高温状態にするものは極力避けるようにしましょう。

◎医療機関で処方される育毛剤(フィナステリドを主成分とされる治療薬)の使用をやめる副作用として性欲減退や射精障害、精子数の減少、勃起不全などが挙げられるためです。
一方、薬局などの店頭で買える「ミノキシジル」を主成分とする育毛剤は問題ありません。

Q

精子のDNA損傷による男性不妊って? 治療法はあるの?

回答者
by 内田 朋子
医療ライター /日本医学ジャーナリスト協会会員

不妊症の原因には、無精子症や乏精子症など、男性側にも原因があることが知られています。無精子症や乏精子症の場合、「顕微鏡下精巣内精子回収術(MD-TESE)」という顕微鏡下の手術で、精細管内の精子を1匹でも回収できれば、顕微鏡下で針を用いて卵子に精子を届ける「顕微授精」ができるようになりました。

一方、近年は、こうした技術の発展に伴い、精子の加齢によりDNA損傷を伴った、本来であれば自然淘汰されるような精子まで無理に受精させているのではないか、という疑問を唱える医師や、それを裏付ける動物実験の論文なども散見されるようになりました。

また、精子の数や運動率、卵子の状態に問題がないにもかかわらずなかなか妊娠が成立しないカップルには、精子のDNA損傷が背景にあるのではないか、と考える医師もいます。こうした流れを受け、最近は、一般的な精子の数や運動率などを調べる精子検査に加え、精子のDNA損傷を検査する不妊治療施設も出てきました。

ただし、そもそも精子は3カ月に1度新しく生まれ変わるため、DNA損傷の頻度は限りなく低いという説や、仮に精子にDNA損傷があっても、卵子に本来備わっている修復力で修復できることから、この検査が本当に有効であるかどうか、疑問視する現場の医師や胚培養士もいます。男性不妊に対する最新の知見に注目が集まります。

Q

男性不妊にいい病院ってあるの?

回答者
by 内田 朋子
医療ライター /日本医学ジャーナリスト協会会員

精巣内にある精子を回収する「顕微鏡下精巣内精子回収術(MD-TESE)」や、精巣内に血液が逆流し精子の力が弱まる原因となる「精索静脈瘤」の手術など、男性不妊に対する治療は、生殖補助医療を専門とする男性泌尿器科医の領域になります。

しかし、日本の不妊治療施設では、生殖医療専門医かつ泌尿器科専門医の平均数は施設あたり0.2人で、男性不妊外来があるのは全体の36%です(子ども・子育て支援推進調査研究事業「不妊治療の実態に関する調査研究」より)。

不妊治療施設に男性不妊専門の泌尿器科医がいないことのほうが多いですが、施設によっては、曜日によって男性不妊専門の医師の外来日を設けているところもあるので、そうしたところを探してカップルで受診してみるのもよいでしょう。

また、治療施設を選択する際は、顕微鏡下精巣内精子回収術や精索静脈瘤の症例数も、選択の目安となります。

参考サイト

Q

男性不妊に効果のあるサプリメントってあるの?

回答者
by 細川 忠宏
株式会社パートナーズ 代表取締役
※お子さんを望まれるカップルのための医療機関用サプリメント「BABY&ME」の開発

◎男性不妊とサプリメント男性不妊原因の約7割は原因不明の造精機能障害(精子がうまくつくれない)です。原因不明であることから、当然、特効薬はありませんが、近年、そのようなケースの多くに活性酸素が関与していることがわかってきました。

精子は、宿命的に活性酸素に弱く、精子をつくる働きや運動能力、精子機能等が損なわれることがあります。そのため、原因不明の造精機能障害の場合、過剰な活性酸素が発生しないような生活習慣の改善ともに、抗酸化療法として抗酸化サプリメントが使われることがあります。抗酸化サプリメントの成分には還元型コエンザイムQ10やビタミンC、ビタミンE、L-カルニチン、亜鉛、セレンなどがあります。

ただし、一般精液検査では、過剰な活性酸素が男性不妊を引き起こしているかどうかはわかりません。可能であれば、精液中の酸化ストレスを測定したり、精子DNAフラグメンテーションインデックス(DFI)検査を受けたりすることで、抗酸化サプリメントの必要性を調べることが可能です。

◎精液検査が正常でもサプリメントが有効なことがある精液検査では、主に精液中の精子の数や運動性、形態などがわかりますが、精子の質を把握するには十分ではありません。たとえ、精液検査が正常でも精子DNAに損傷のある精子が多い場合は、特に女性の年齢が高齢になると、受精率や胚盤胞到達率、妊娠率が低下し、流産率が高くなることがわかっています。

そのため、たとえ、精液検査結果が正常でも精子の質が低下しないように抗酸化サプリメントを補充することは意味のあることかもしれません。

もちろん、サプリメントだけでなく、喫煙や深酒をしないこと、そして、バランスのよい食生活を心がけ、適度な運動、ストレスマネジメントなど、健康的な生活に留意することが重要であることは言うまでもありません。

メンタルケア情報

Q

もっと早く検査をしてくれていたらと、どうしても夫を責めてしまう。どうしたらいいのかな

回答者
by 平山史朗
公認心理師 / 臨床心理士
日本生殖心理学会副理事長
東京リプロダクティブカウンセリングセンター代表

「もっと早く検査してくれていたら」の後に続く、あなたの思いはどのようなものでしょうか。「妊娠するはずもなかったタイミング療法を続けてしまい、無駄な時間やお金や労力を費やしてしまった」でしょうか、「自分がしなくてもよい通院をする羽目になってしまった」でしょうか、それとも、「自分に問題があるかもと思って、責めなくてもよい自分を責めてしまった」とか、「夫の実家から、私のせいで妊娠できてないように思われてつらい日々を過ごした」でしょうか。

「どうしても責めてしまう」のは、もちろん夫に対する怒りもあるでしょうが、同時に自分に対しても怒りや焦り、後悔などの気持ちがあり、そうした自分を責める気持ちが相手に向かっていることもあるかもしれません。その意味では、夫を責めたくなる自分を見つめ直すことで夫を責めることが必要なくなることもあります。

そしてもちろん、夫が謝罪していない、あるいは謝られても真剣みが感じられないなど、あなたの感じている重みが理解されていないことによる怒りから、彼を責めている方も多いでしょう。ましてやそんなときに夫から「時間は戻らないんだからしょうがないじゃないか」なんて言われようものなら、「それを言うのは私ならいいけれど、なぜあなたが言うのか」と余計に怒りが増幅して、こうなるともう泥沼です。

もちろん、このように感じないために、妊活は初めから二人で、というのが望ましいと言えるのですが、実際にはなかなか最初から二人で病院にかかるために話をするのは難しく感じてしまい、「まずは私が」と一人で受診し検査や治療を進めてしまうこともあるでしょう。また、二人で一緒に始められた場合であっても、それまでに妻がずっと検査に行こうと勧めていたのに「まだいいよ」と夫が同意せず、ようやく受診していざ検査をすると男性不妊が判明した、なんてことも珍しくありません。その結果として、なかなか検査を受けようとしなかった夫を責めたい気持ちが出てくるのは理解できます。

ですから、まず、なかなか検査を受けてくれなかった夫に対する怒りが出てくること自体を「よくないものだ」と考えないようにしましょう。怒りを感じることと、怒りに任せて相手を責めることはまったく違うことであると理解してください。感情的に責めてしまう行動は確かにあまり適切ではないやり方ですが、責めたくなる自分がおかしいわけでない、と感情と行動を切り離して考えましょう。怒りや憤りを感じることが問題なのではなく、相手を責めるという形で表現してしまうことが問題になりうるのです。

相手を責めてしまい二人の関係が悪くなったり、責めてしまったあとで自己嫌悪に陥らないようにするにはどうすればよいのでしょうか。大きく分けると、①自分の怒りに振り回されないようにマネジメントできるようになる、②自分の思いを“責める”という形ではなく伝えられるようになる、という二つの方向性が考えられるでしょう。

①の自分の怒りをマネジメントする方法について、いろいろやり方はありますが、最近では取り入れやすい「アンガーマネジメント」という方法がさまざまな書籍やサイトで紹介されていますので、参考にしてもよいと思います。また、怒りだけでなく、自分の気持ちに気づき、そこに価値判断を加えずに扱っていく「マインドフルネス」という考え方も普及してきています。また怒りに振り回されやすい人は自分を大切にすることが苦手な人も多いので、そのような方は「セルフ・コンパッション」という自分自身に対してやさしく接するやり方を習得するのも有効でしょう。これらの考え方は最近ではビジネスでも活用され、多くの書籍やメディアで取り上げられるようになっているので、どれを見て良いのかわかりにくいという問題もありますが、できれば臨床心理士や公認心理師といった心理専門家によって執筆されたものを選ぶようにすると役に立つ確率が高いでしょう。

②の自分の怒りを責めるという形でなく相手に伝える方法についてですが、これは「アサーション」という考え方を身につけることで、攻撃的でなく、あるいは自分の内側にため込むことなく(そしてそれをがまんできなくなって爆発させることなく)自分の気持ちを相手に伝えることができるようになります。これも考え方を知るだけではなく、実際にコミュニケーションを試行錯誤していくことで次第に身についていくものです。

いずれにしろ、気持ちに飲み込まれずに、自分が今どのような気持ちを感じているかを観察できるようになることがとても大切です(感情のモニタリングといいます)。いろいろな本を読みながら、自分一人でできる方もいらっしゃいますが、専門家と一緒に取り組むことで効率よく身につけることができるようになると思います。ぜひ自分のために心理支援の専門家を利用してみてください。

Q

原因がわかって夫婦でぎくしゃくしています。どうしたらいい?

回答者
by 星山 千晶
公認心理師 /生殖心理カウンセラー / がん・生殖医療専門心理士 / 社会福祉士 / 精神保健福祉士 / カウンセリングルームふらっと代表

カップルにとって、不妊原因がわかることはとても重大なことであり、それが男性因子であれ女性因子であれ、そのショックは大きいものです。男性の場合、社会的に求められる男らしさや強さの中に、性的な強さ・生殖性も含まれている側面があるため、男性不妊と診断されることは、男性としての自分自身を否定されるような、アイデンティティを揺さぶられる体験であり、特に強烈な衝撃となります。

その結果、パートナーへの気兼ねや自信喪失などが生じ、夫婦関係そのものも変化していきます。それを感じ取った妻・パートナーの側も、夫・パートナーへの気遣いや心配、挙児への不安などから、コミュニケーションがとりにくくなったり、深い話がしにくくなったりすることが増えていきます。それが、夫婦関係がぎくしゃくしていく一因となってしまい、互いにどうしたらいいのだろう?と悩むことへとつながっていきます。

対応としては、お互いにショックを受けた気持ちや、この先の挙児への不安や心配などを、率直に話し合うことが大切です。不妊原因がどうあれ、それは誰のせいでもありません。不可抗力であり、そのことで、人間性や男性としての生き方が否定されることはないということを、ぜひパートナーに伝えていただきたいと思います。「あなたがあなたであること」は何ら変わらないということを、夫婦の共通の認識として持っておいてほしいと思います。

Q

夫婦揃って受けられるカップルカウンセリングってどんな効果があるの?

回答者
by 星山 千晶
公認心理師 /生殖心理カウンセラー / がん・生殖医療専門心理士 / 社会福祉士 / 精神保健福祉士 / カウンセリングルームふらっと代表

カップルカウンセリングでは、カップルが二人とも同席し、カウンセラーと3人で話をしていきます。一対一のカウンセリングでは、自分の考えや気持ちを気兼ねなく話せる反面、パートナーの思いや考えは直接確認できず、予想や伝聞になってしまうため、必ずしも正確ではないかもしれません。その点で、本人が同席しているカップルカウンセリングでは、そこにはパートナーがいて、お互いにお互いの回答の内容について思いを巡らせ、時には驚いたり発見したり、様々な感情を感じながらそこに一緒にいることができます。

カップルで話をすることは普段から行っていることで、珍しいことをしているわけではありませんし、カウンセラーの問いへの回答も、初めて聞くことではないかもしれません。しかし、そこにカウンセラーという第三者が入ることで、他者の視点が入ります。また、第三者に理解してもらうためには、普段二人で話しているよりも少し丁寧に説明したり、詳しく話したりすることになります。それによって、わかっていると思っていたことが、実は違っていた、という発見をすることもあります。

カップルカウンセリングでは、カウンセラーというフィルターを通して、互いの理解を深め、新たな発見をし、コミュニケーションの不足や齟齬を減らして、二人が共通の体験を通して問題解決の方法を考えていけるなどの効果があります。何よりも、二人で共同作業をすることで、互いの理解が深まる効果は大きいと言えるでしょう。

Q

妻に申し訳ない気持ちでいっぱい。妻と離婚してあげた方がいいのか悩んでしまう。

回答者
by 永森 咲希
不妊カウンセラー / 家族相談士 / 国家資格キャリアコンサルタント / 一般社団法人MoLive・オフィス永森 代表

申し訳ない気持ちから離婚を考えてらっしゃるとのこと。夫であれ妻であれ、自分に子どもができない原因があるとわかれば、パートナーに対して申し訳ない気持ちになるのは自然なことであり、離婚の文字が頭をよぎってもおかしくないのかもしれません。

ですが、まずは、次の3つのことを意識してみてはいかがでしょう。
1.時間をかける
2.憶測から決断しない
3.話をする

1.時間をかける子どもができないと宣告された直後は、ご夫婦ふたり共が大きな衝撃を受けていますし、成長過程の中で想像もしてこなかった事態に見舞われた夫の動揺と混乱は特に大きく、精神的には相当なダメージがあります。そんな傷ついたばかりの状態では、物事を適切に判断したり、正しい決断をしたりできませんよね。離婚について判断するのも時期尚早です。どうかこの時期こそ焦らず、思いつめず、少し時間をかけながら1日1日を重ねていただきたいと思います。あなたには、現実を受け止めるための、また折り合いをつけるための日にち薬が必要です。

2.憶測から決断しない「妻と離婚してあげた方がいいか悩んでしまう」とのことですが、妻の気持ちは聞いていますか。
男性も、自分に原因があって子どもができない状況に置かれれば動揺し、悲しみ、混乱し、深く傷つきます。涙が止まらなくなる方も、仕事が手につかなくなる方もいらっしゃいます。これまでに経験したことのない、想像すらしたことのない事態に見舞われ、「俺はどうしたらいいんだ?」 「僕たち夫婦はどうすればいいのか?」 「妻と別れることが妻のため?」 「妻はずっと子どもが欲しいと言っていた。別の男と生きた方が妻は幸せ?」等々、わからないことだらけで悩みも深まる一方でしょう。
ですが、ひとり悶々と悩んでいると自分の思い込みが独り歩きし、その思い込みに支配されるようになることがあります。そんな状態が続けば、離婚といった危機的な話まで膨らませてしまうこともあるでしょう。思い込みは憶測から生じます。どうか憶測から判断せず、パートナーである妻と時間をかけてじっくり話をしてみてください。

3.妻と話をする夫は、妻への申し訳なさや自分への不甲斐なさ、自責の念に見舞われることで、妻とは一切話さなくなることがあり、妻も、触れてはいけない、夫を傷つけてはいけないといった配慮から、自分の気持ちを封印するといったケースがあります。

子どもができない事態は、子どもを願う夫婦にとっては大きな危機といえますが、この危機はどちらかひとりが味わうものではなく、夫婦共に経験します。宣告を受けた夫だけでなく、妻にも想いや考え、悲しみや苦しみがあります。それを聴くことは、夫にとって辛いことのひとつかもしれませんし、聴いたところでどうにもならないと思うかもしれません。傷つけあうこともあるかもしれません。ですが、「これから自分たちはどうしたらいいのか」といった問いに関しては、お互いが心の開示をすることでしか、その答えは見つからないでしょう。

夫婦というパートナーシップに何を求めるか、そのパートナーシップの中に子どもがいるべきなのか、子どもがいるべきだとお互いが考えているのであれば、それは実子でないとならないのか、AIDや養子縁組という選択肢も検討の余地があるのか等々、お互いが優先するものの順位を擦り合わせる時間が必要です。気持ちもしかり。どんな感情に見舞われるのか、どうしたいと思うのか、何を迷い、何に傷ついているのか、たとえまとまらなくても、まずはふたりの気持ちを机の上に広げてみませんか。その際は、相手を責めたり投げやりな口調にならないように、また過度に卑下することもないように、心がけましょう。

Q

男性不妊について、両親や親戚への伝え方は?

回答者
by 星山 千晶
公認心理師 /生殖心理カウンセラー / がん・生殖医療専門心理士 / 社会福祉士 / 精神保健福祉士 / カウンセリングルームふらっと代表

お孫さん、甥や姪を楽しみにしている両親や親せきを前にすると、子どもが授かりにくいことについて、どう話したらいいのか、話さなくてもいいのか、悩んでしまいますね。

本来は、夫婦・カップルのプライベートなことですから、無理に伝える必要はないことだと思いますが、「子どもは?」「孫を楽しみにしている」などと言われてしまうと、そうもいかない気持ちになってくると思います。

そこで、男性不妊について両親や親せきに伝える際は、ぜひ、二人で一緒に話をすることをお勧めします。当事者である夫・パートナーの方から、検査を受けたことやその結果について、そして、夫婦では説明された不妊原因をどうとらえ、今後どうしていきたいと思っているのかをお話する。そして、子どものこと・将来のこと等を二人でしっかり考えているので、そっと見守っていてほしい、と伝える。どちらか一人のことではなく、二人の問題であって、二人の人生であることをお話しすることが大切だと思います。

また、夫・パートナーから伝えることの意味は、男性不妊という診断が出るに至った様々な検査を受けたのは夫・パートナー自身であり、検査結果はどんな結果であれ、本人の大事な情報であるからです。きちんと結果を引き受けていこうとしていることを示すことも、両親や親せきに伝える際には大切なことですし、今現在のお二人の姿勢・思いを示す意味でも、重要なポイントになります。

Q

同じような立場の人と話してみたい

MoLive(モリーブ)では、下記の4種類のテーマを順送りに、毎月1回、同じ経験を持つ当事者同士で約2時間、自由にお話していただく茶話会(わかち合いの会)を開いています。

  • 1.妊活・不妊治療で悩む方々の会
  • 2.妊活・不妊治療からの卒業(やめ時)を考える会
  • 3.男性不妊で悩む方々の会
  • 4.卒業生(不妊治療をやめ、子どもをあきらめた方々)の会

同じような悩みを抱える人と話をしてみることによって、考えや想いが整理されることがあります。また、自分の思考傾向に気づくこともあります。人の話を聴くことによって、同じように悩んでいるのは自分ひとりじゃないことがわかったり、ヒントを得たり、勇気をもらえたりすることもあります。

心理援助の資格を有するものがファシリテータを務めますので、どうぞ安心して参加なさってみてください。

茶話会の詳細およびお申込みページは
こちら

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